寒ーい冬にようやく終わりが見えてきた今日この頃、
まだ暖かくなるのは少し先ですが、周りでは「春」の言葉がちらほらと
聞こえてきていませんか?
春といえばやっぱり気になるのは桜の開花がいつ頃なのだろう
ということではないでしょうか?
毎年その時期になると天気予報と一緒に桜前線が話題になりますが、
こちらではそんな桜前線について探っていきたいと思います。
桜前線が北上するスピードは?
テレビなどで当たり前のように使われているこの「桜前線」という言葉ですが、
これは専門用語などではなく、マスメディアが造った造語なのだそうです。
1967年(S42年)ごろから使われるようになってきて、
意味としては「開花予想日が同じ地域を色分けした時の境界線のこと」となります。
桜前線はだいたい南から北へ進んでいきます。
そして標高差のある場所では標高の低い所から高いところへ
登っていくような感じで進みます。
予想の仕方は、開花日と冬の気温が相関しているので
過去の気温と開花日のデータを照らし合わせてその年の開花予想を立てていきます。
ちなみに開花日は積算温度の法則(植物の生育や融雪量を表す指標で、
日平均気温と基準温度(目的により異なる)の差をある期間にわたって合計)
をもとに、標本木を目視で確認して桜が咲いているとその日が開花日となります。
2010年(H22)より以前は開花予想も開花日の発表も
国の機関である気象庁が行っていましたが、
2010年以降は気象庁を開花予想を行うのをやめています。
現在は民間機関であるニューズウィークや
日本気象協会が開花予想を行っています。
桜前線が北上するスピードですが、平地だと1日当たり約30㎞北上します。
もちろんすべて一定に北上していくのではなく、
地域や標高によって異なってきます。
特に標高は100m上がるのに2,3日かかることもあります。
一般的には沖縄から北海道に向かって桜前線は北上していきますが、
時々テレビの開花日などで九州南部よりも九州北部や本州が
先に開花したという情報を聞いたことがあるかもしれません。
これは「休眠打破」という現象が原因です。
休眠打破とは暖冬などで冬に一定の低温期間がないと、
桜の木が休眠できずに開花が遅れてしまうことを言います。
暖かくなるだけではなく、冬にきちんと寒くなくてはいけないというのが大切なのです。
四季のある日本の気候にピッタリな花といえますね。
桜前線の北限はどこになる?
桜前線は沖縄からスタートしますが、始まりがあれば終わりももちろんあります。
その終わりのことを「北限」といいます。
桜はあまりに寒い地域では咲くことができない花なので、
咲くことのできるぎりぎりの場所ということです。
一般的に桜といえばソメイヨシノを連想しますよね。
これは日本に咲く桜と呼ばれる花の中で圧倒的に数4が多いからで、
実に全体の8割がソメイヨシノなんです。
そのソメイヨシノは全てがもとは1本の木だということを知っていますか?
ソメイヨシノは自力で繁殖ができない種類なので、
木を増やすために接ぎ木や挿し木でこれまで増やされてきたのです。
そのため気温や日照時間などが同一条件で一斉に開花します。
そのため開花予想がしやすく、ほとんどの場所で開花日を決める標本木に指定されています。
さてそのソメイヨシノの北限は、北海道の美唄市にある東明公園に
群生しているものとされているのだそうです。
もちろんここよりも北側で数本単位で咲いているソメイヨシノはあります。
またソメイヨシノ以外にも北海道には一般的な桜の木があります。
それはエゾヤマザクラという種類で、
色は濃いピンク色で葉と花が一緒に咲くという特徴があります。
本州以南にももちろん咲いていますが、本州に比べて北海道の方が花の色が濃いです。
これは北海道の冬の寒さがかかわっているのだそうです。
ソメイヨシノの北限は上で述べたように美唄市の東明公園ですが、
すべての桜の北限はまた別にあります。
その場所は根室市の清隆寺にあるチシマザクラという桜になります。
この桜の色はソメイヨシノよりも濃い目のピンク色なのですが、
花が先に咲いて葉が後から出てくるというソメイヨシノに似た特徴もあります。
桜前線の北限
ソメイヨシノ→北海道美唄市 東明公園
チシマザクラ→北海道根室市
※札幌市より北にある地域ではエゾヤマザクラを標本木にして開花を決定しているようです。
まとめ
いかがでしたか?
毎年楽しみな桜の開花ですが、
自分が住んでいる地域の開花日が分かればあとは気にすることって少ないですよね。
でも今年はちょっといつもよりしっかりと開花予想と桜前線に注目してみませんか?
そうするとまだいったことのない場所にいつごろ春の知らせである桜が咲くのか、
ソメイヨシノではない桜はいつ頃咲いているのか気になることも増えてくると思います。
実際の桜の花を見るのはもちろん楽しみですが、日本の様々な地域で咲く桜を
桜前線の北上と一緒に楽しんでみてくださいね^^